このページには稽古照今録の最新記事のみを掲載致します。
稽古照今録の全記事はこちら → 合気道 神楽塾 「稽古照今録」
島根養神館様主催 第22回山陰大会 塩田剛三メモリアルセミナー
8月30日・31日と二日間に渡り今年も養神館島根様主催の山陰大会に出席させて頂きました。
講師に合気道龍主宰・安藤毎夫先生、そのお弟子様であり合気道蒼龍を主宰される三橋亮先生、そして
講習会のタイトルにもなっている塩田剛三先生のご令孫、塩田合気道道場長・塩田将大先生の御三方。
例年なかなか仕事の都合で二日連続参加が叶わなかった私ですが、今年は予定が組めて全日程参加させて頂けました!
神楽塾からも塾生4名の参加表明があり、合計5名でセミナー参加させて頂きました。

<島根県立武道館 正面 看板>
主催であられる養神館島根支部長・浦尾先生に今年もご招待頂き、誠に有り難く、感謝致します。
この講師面々を招聘される浦尾先生のご人徳と道歴の深さ。
そして合気道の大会としても間違いなく島根県No.1の大規模大会であり、いずれは我々合気会も、
浦尾先生の開催される大会と比肩できるほどのものを、と目標にする処です。
さて今回神楽塾からの参加4名は皆初参加の面々でありました。
合気会内に限っても他道場と合同稽古を組むのになかなか苦労している状況の中、他流派の合気道講習会でしたが
それもこれもいい経験だと思います。
広い世界を知らないと、井の中の蛙で終わってしまいますから。
「されど空の深さを知る」とも言われますが、やはり大海を知るべきだと思います。
第一に怪我をしない事、させない事。そして存分に楽しんで来てください。と、それだけを言い含め講習会に送り出しました。
今回のセミナーも黒帯組・白帯茶帯組、と別れての講習会でしたので、私は塾生の講習会内の動向を知り得ません。
全員初段相当の実力は有していますが、初の他流派合気道セミナー。基礎の基礎からしっかり学ばせて頂く事が
有意義を最大化する事と思い、塾生全員白帯・茶帯組に参加させて頂きました。
私個人としては安藤先生の講習会は3回目。少ない回数ですが、それでももう存分に安藤先生の実力は身に刻まれております。
今回は安藤先生の講習は勿論楽しみでしたが、同等にお弟子様である蒼龍先生(三橋先生)にとても興味がありました。
と、言うのも実は私、蒼龍先生と同世代帯。私こそが広い世界を見に行きたい思いでした。
動画(YouTube)でみる蒼龍先生は、取りとしての技量は勿論の事、受けの技量がこれまた凄まじい!
演武に於ける師匠(安藤先生)との呼吸の合わせ方まで、物凄い一体感です。それでいて決してお世辞受けでなく、
もう受けの教科書(もっと言うと高度な専門書)の様な印象です。
安藤先生の他の内弟子の方々もそれは見事なのですが、蒼龍先生はもう一段別格に私の眼には映ります。
基本動作一本をとって見ても、圧倒的な練度です。
そしてこれまた初めての塩田先生。まだお若い先生ですが、塩田剛三連盟を立ち上げたり、それに伴い散り々になった
元養神館(剛三先生)の内弟子(高弟)先生方を集め、9月中旬には「110th Anniversary Gozo Shioda Festival」を主催されます。
これは塩田先生でなければ為せなかったであろう偉業と言えると思います。
養神館関係者の方々も待ち望まれていたのではないでしょうか。少し大袈裟に言えば夢の企画。まさか実現させていまわれるとは・・!
YouTubeでも精力的にご活動なさっています。合気道界YouTubeでは合気会の白川竜次先生が突出したカリスマと言えますが、
それに次ぐトップクラス帯だと思います。
初日は講習会!黒帯組・白帯茶帯組のグループを安藤先生、塩田先生、がそれぞれ一時間ご担当でした。
私は安藤先生講習会からスタート。一年ぶりの講習会にドキドキワクワク、程よい緊張感の中、臨みました。
私は畳の上では格上相手には特に遠慮をしません。鍛錬的稽古や術理稽古の場合に於いては尚更です。
が、安藤先生が近寄って来られただけで、既に怖いんですよね・・
怖いと言うと語弊がありますが、もう圧倒されてしまいます。隣に立っておられるだけなのに。。
そして先生が受けを取らせてくださるので、「オスッ!」と気合を入れ直して、正面打ちなり肩取りなり、
全力で取りにいきました。その全てで今回も為すすべなく畳に這いつくばりました。
コレだよコレッ!と言うのが這いつくばってる私の感想です(笑)。それを頂きたくて(喰らいたくて)
毎回講習会が楽しみなのです。
蒼龍先生にも、仕手から取りに行く四ヶ条の稽古で掛けて頂けました。
必死で堪えたのですが、肚に響く通る様な四ヶ条でまたしても畳に這いました。
そして一緒に参加させて頂いている講習生の皆様も猛者ばかりで、とてもいい稽古をさせて頂いて、
一時間の講習はあっという間に過ぎました。
でも、どうしても養神館のスタイルについていけず、ご迷惑だった事と思います。毎回の反省ですが、やはり限度があります。。


<安藤先生 講習会>
続いての塩田先生講習会は私、初参加!凛として正面に立たれ、もう雰囲気がありました。
凄いのは、決して安藤先生の存在感に負けておられない事。並び立つ二頭の龍であると感じました。
安藤先生もそうでしたが、塩田先生は余計に、養神館だけでなく他流派もいるからと、その場を考慮頂いて
養神館でなくても均一に稽古できる内容で講習を展開してくださいました。
身体の使い方、意識の持ち方、それ一つで技がこんなに変わると、実際に目の前で体現してくださって
何度も技を掛けてくださいました。その度に先生の周りに輪ができてしまいます。
とりわけ私はかなりの回数、塩田先生にお手解き頂きました(と思います)。
先生は「もっと思いっきり」と私の全力を引き出してくださって、それに応えるべく全力を尽くしましたが
見事に動かされ、確かな感じるものがありました。塩田先生の技はその稽古の質から言っても
相手を組み伏す、投げる、抑える、という事に拘らず、創造性や生命を育む力を想起させてくれます。
塩田剛三先生のお言葉に「威張ってはイカン、命令してはイカン、だからと言って妥協してもイカン。
ならばどうする?。調和したらいいんだ」(千田先生述)というお言葉がありますが、まさしくソレ!


<塩田先生 講習会>
講習会が終わり、講習一日目の夜は懇親会が開催されました。
今回は安藤先生とお話ができなかったのが残念でした(先生は人気者!)が、
塩田道場の側近の方や初めてお会いする方、そして塩田先生とのお時間をかなり取って頂き、二時間の懇親会が体感20分。
側近の方が「塩田先生は今回参加者全員の手を取りたいと言っておられた」と聞いて、
なんだか物凄く納得しました。安藤先生も塩田先生も、道場を隈なく歩かれてどんどん技を掛けてくださっていましたので。
それで、塩田先生と合気道問答をしていたのですが、物凄い到達域!今回それが一番驚きました!
私、師匠がいなければ塩田先生の話はチンプンカンプンだったかもしれません。
世の中は広い!もう達観しておられるのではないか。
それでいて、ご指導される中でも、ご自身の学びを追求なさっておられる様に見えます。
あ、そうだ。皆さんご存じですか?塩田剛三先生は本名を「塩田剛(しおだ たけし)」先生と申されます。
それが、何故か、いつからなのか、とても興味があって今回塩田先生にお聞き出来ました。
「画数に拘った」と聞いたところで、会場が一時整列となってしまい、それ以上は聞けなかったのですが、
なんだか腑に落ちました。
蒼龍先生とも少しですがお話出来ました。YouTube蒼龍チャンネルの道場建設の動画が物凄く感動的で。
それだけは一言でも蒼龍先生にお伝えしたく申し上げた所、蒼龍先生は「もう10年以上前の動画なのに未だに言われます」
と笑っておられました。
写真は塩田先生のご挨拶の一場面です。塩田先生はお話もとても上手^^
10分話しておられても最初から最後まで面白いのです。これ、ちょっと誰にでもは出来ない事ですよ。
懇親会お開きの後、二次会があったのですが、残念ながら私は部外者なので参加できず(部屋の都合です)。
ホテルに戻って寝ている時間が勿体なく思う程楽しい時間でした。

<懇親会会場 塩田先生ご挨拶の一場面>
二日目は講習会&演武大会。講習会はもう割愛!はい、演武大会!
私も僭越ながら演武をさせて頂きました。二日目は当塾生の参加がなかった為、浦尾先生から門弟さんをお借りしての演武。
初めて合わせる(ましてや他流派)ので、ゆっくり演武するつもりが、受けを取ってくださった方が見事な技量で、
取りである私より、受けの方の演武にすら見える程でした。
茶帯を締めておられたのですが信じられない!浦尾先生のご指導の凄さを垣間見ました。
そして塩田先生、安藤先生の演武をはじめ、参加者一同皆々様が次々と演武。
私、この度初めての演武会参加でしたので、とても楽しく、また興味深く、拝見させて頂きました。
皆さんのキビキビとした動き、養神館の大会に来たなー、と感慨深く見ておりました。
それと、とても印象的だったのが、番外(つまり裏方役)で、一際大活躍している一人の女性がおられました。
それは大会前から大会中、そして大会後まで。見ていて清々しく、何よりも思いやりの心が具現化している様でした。
ご本人の資質という事もあろうかと思いますが、その行動全般がひいては養神館島根様という団体をより美しく私の目に映しました。
プログラム最終は、安藤先生の総合解説演武にて締められました。
蒼龍先生のYouTubeにて公開されております!!
浦尾先生、安藤先生、塩田先生、そして皆々様、この度は誠にありがとうございした!
とても楽しく、有意義な二日間でした!私どもも負けじと励みます!
今後とも、何卒よろしくお願い致します!
令和7年 9月 3日