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神楽塾四国遠征 2025小雪 前編
私個人としてはまた年末年始にかけて、凌雲館に里帰りする予定でおりますが、塾生と一緒に
神楽塾としては今年最後の遠征となるかな、と。今回は三日間に渡る遠征となりました。
初日はお師匠(正岡玄舟師範)の許に!
二日目、三日目は毎年恒例となりつつある、合気道徳志館高橋先生主催の白川先生講習会!
<凌雲館>
前回、師匠にお会いしたのが徳島の武道館でしたので、凌雲館に還ってきて感無量です。
師匠と竹玲館長の氣で満たされたこの空間はやはり特別です!
午前(9時~10時)は少年部の稽古に参加させて頂きました。
教育哲学者と呼ばれる森信三先生の提唱された「立腰と躾の三原則」という教えがありますが
凌雲館の稽古はまさにそれでしょう。
思い返せば師匠が少年部を指導されていたのを見ていた20数年前、
あの頃から師匠は子供たちの自立心を大いに促すご指導であられました。
師匠は見えないレールを敷いてやり、子供達は知らずの内にそれに乗り、乗った自覚もないままに
立派に成長しておりました。当時のその子達ももう今では立派な社会人の年齢ですね。
そして変わらず新しい芽を師匠そして竹玲館長は導いておられます。
当塾同行のK君は来年の夏には独立して、自身の道場を持つ予定で、
今は様々な道場にも出稽古に行ったり、それこそ貪欲に稽古に勤しんでおりますが、
凌雲館少年部の稽古風景及び師匠のご指導を見る、これ以上ない良い経験だったと思います。
10時以降は神楽塾独占で師匠に稽古をつけて頂きました。
師匠は「禅をやる」と申されました。合気道は動く禅とも言われますが、
最近、神楽塾の稽古でも、その必要性をひしひしと感じはじめてきた所です。
「心」の在り方、「心」とは、という超難題(が、おそらく真実は超シンプル)。
そしてそれを武として体現できなければ意味がない。
師匠はそれを体現してくださいます。
「天地を繋ぎ貫く一本の縦の線」それが稽古の眼目であったと認識しています。
一時間少々の稽古でしたが、師匠の根幹を再度ご指導頂きました。
そして師匠を囲んで昼食を。昼食の間も禅問答の合気道稽古です。
師匠さえ御傍におられるのならば一秒一秒が稽古照今であります。
<凌雲館 お庭>
さて、昼食以降、午後の時間は仙台より合気道神武錬成塾塾長 白川勝敏先生が
なんと凌雲館までお出ででございました。
その目的は「高橋君の師匠であられる正岡先生に是非一度ご挨拶を」との事で、師匠もとてもお喜びであられました。
仙台から徳島に講習会で来られる事は知っておられますが、徳島からわざわざ高知の私の処まで来られる
白川先生のそのお心に、私も全霊を以てお迎えしなければならない、と師匠は仰いました。
故あって、凌雲館門下より神武錬成塾傘下道場へと移籍した徳志館高橋氏が繋ぎ
東北の雄 白川先生 と 四国の伏龍 お師匠との会談が成立しました。
両巨頭共に道歴は50年をゆうに超えます。果てもない飽くなき修身の結晶がその場に在り、
私が居ていい場なのか、若干困惑しつつも同席させて頂き、雲上人の世界に心地よく触れておりました。
実際の場は、お話のみで終わらず、なんと師匠と白川先生とで稽古が始まってしまったのです!
師匠は、「白川先生にうちの稽古をお見せしたらいい。話だけしてるよりその方がよっぽどいい」
と言われていたので(白川先生到着前)、「はっ、全て師匠の意に沿います」とお返事致しました。
そして、師匠はお言葉通り、我々弟子を相手に普段の稽古を示し始めたのですが、
そこに白川先生がまさかの「私もいいですか?」と受けをとりにお出になられました。
凄まじい光景でした!白川先生は師匠の技を味わうように受けておられた様に見えました。
そして78歳になられる白川先生がバンバン受けをとられるのです。凄いっ!!
その中で「和算の合氣」(私が勝手に名付けた)稽古法にはさすがの白川先生も驚いておられた様です。
同時にとても楽しんでおられる様に見えました。
「和算の合氣」とは、互いに拳を合わせた状態から入身転換にて相手を導き出す稽古です。
<和算の合氣> ※白川先生の許可を得られたら動画をあげます。暫くお待ちください(__)
その他、種々稽古は続き、なんと滞在約4時間の内2時間以上が実技の稽古となってしまいました。
ほぼぶっ続けで続く稽古に、さすがに私「師匠、少し休憩を入れませんか?」と割って入ったのですが
白川先生が「え?もっとやりたいんだけど・・・」と仰いました。
どうやら要らぬ水を差してしまった様です。。
残り二時間の内、1時間はお庭まわり(到着後即そのままお庭まわり)。
見てください。師範お二人を天照大神が祝福するように差す光のお写真を!
<師匠と白川先生>
そして尽きぬ話もありますが、明日の予定もあるため名残惜しくも凌雲館を後にしました。
師匠が車が見えなくなる最後の最後までお見送りをしてくださいました。
会談後はせっかく高知県までおいでくださった白川先生(以下、塾長と記します)と土佐名物かつおのタタキを食べに。
「西村食堂」さんに行ったのですが、凄まじい料理が出てきます!
塾長とお話してるのが楽しくて写真を撮り忘れましたが、開店前から大行列。
高知でも有名なお店さんです。大満足の高知の旅でした。
そしてホテルの都合で中間地点で白川先生は高橋氏の車より私共の車に移られまして、
つまり私達は約30分、塾長と共にドライブだったのですが、貴重な時間でした。
塾長にしか聞けないこと、塾長だからこそ聞けるお話、ちょっとくらいホテルが遠ざかってくれてもいいんだよ、
そんな心持ちでしたが、気付いたら到着しておりました。
で、今日はさすがに終わりかと思いきや、私まだまだ塾長とお話がしたい!時間が勿体ない!
ど厚かましくも、塾長にお願いしてみました。「塾長!もしよろしければ、もう少しお話していただけませんか?」
塾長は「ああ!いいですよっ」と快諾してくださいました。嬉しい^^!
そんなわけで、塾長のお部屋で私と同行の二名、連なってそれから約二時間。
多少のお酒とでゆっくりお話ができました。
もうどれだけ話していても塾長とのお話は面白く楽しいのです!古事記の話までしました。
明日からは白川先生講習会です!
頑張るぞ!
神楽塾四国遠征 2025小雪 後編
改めまして、
塾長にお会い出来たのも一年ぶりでございました。
とても嬉しかったです!塾長は御年78歳を迎えられますが、信じられないほどにお元気です。
驚いたのは、塾長が夏頃に、私宛にお中元(仙台名物笹かま)を送ってくださった事でした。
ビックリしました!髙橋氏を介してしかご縁のない私、門下でも傘下でもない。
塾長の膨大な門下生の中でも最末端であり(むしろ最末端ですらない)、
名前を憶えて貰っているだけでもう十分に光栄と言える立場です。
にも拘わらず。。塾長にお礼のお電話をするだけでもタイミングが分からずドギマギしてしまいました。
今回の講習会一連の旅で、塾長のお付きを完璧に全うする事が私なりの恩返しであり、稽古でもありました。
初日は全徳志館大会!徳島県脇町で行われました。午前は講習会、午後は演武大会。
この大会に参加できるのは徳志館門下生のみと限定されており、館長髙橋先生の想いが詰まっていますね。
神楽塾は髙橋先生の兄弟弟子という事で、特例の特別枠で参加させて頂いてます。ありがとう!
さて、徳志館は創立20周年という節目の年でありました。同時に本年の鏡開きで館長高橋先生は六段位に昇段されました。おめでとう!!
この記念の年に、今年も塾長にお出でくださって、ご指導を頂ける。
とても運命的で、髙橋先生の現時点での集大成の様相の大会でした!
と、言うのも、塾長は来徳の少し前に体調を崩され、体重が五㎏も落ちたとの事でした。
お聞きしなければ全く分からないほどにパワフルな塾長!(でも心配してしまいます。)
ご指導も熱の入った貴重な時間でした。
子供達が多かったのですが、皆楽しそうなのが印象的でした。
塾長の師にあたる小林総師範のお言葉「一人でも多くの人に合気道を」。
新しい芽吹き、若葉に大いに期待したいところです。
<全徳志館大会 髙橋館長演武>
演武大会も見事な迫力でした!
今回も観覧を含め100名に近い参加で、髙橋館長の徳志館はますます飛躍しております。
私も毎年ながら演武をさせて頂きました。私、普段演武はあまりしないのですが・・・
で、今回も演武はそこそこにお話を。
去年はピカソの話をしたのですが、今年は「食べることが作業になっていないか?」という話をしました。
言わずもがな、我々は「食べる」という事が生命維持の為、最重要事項です。
しかしその「食べる」事が最重要であるはずなのに、昨日の晩御飯すらも何を食べたか憶えていない人が大半なのです。
それは「作業」になってしまっているから。
ある程度は仕方のない事です。我々は恵まれていて、それが日常に溶け込んでいるから。
「でも、今から拝見する塾長の説明演武を、作業にしないで!刮目して見ましょう!」
と締めくくりました。
はて、どれだけ汲み取ってもらえたでしょうか。
だけども少しだけでも、あの時あの場で幾許かは意識を高められたと思っています。
塾長の演武は約30分でした。神楽塾の二名が塾長の受けをとらせて頂いたのですが
その二人の体感時間は10分くらいだったそうです。
あの場で、一番恩恵を受けたのは間違いなく神楽塾の二名だったと思います。全徳大会なのになんか申し訳ない。。
<全徳志館大会 白川塾長 説明演武>
大会後は髙橋邸で直会です。去年は晩夏でしたので庭でバーベキューでしたが今年は少し冷え込む季節。
室内で髙橋館長のこだわりの「おでん」パーティーでした^^
美味しかったですよ!直会では徳志館の皆さん塾長とゆっくりお話しできたでしょうか。
私、出しゃばりすぎるので隅っこでコソッとしておりましたが、二次会からはまた塾長のお傍にべったり。
塾長を囲んで夜中の12時までお話。よくそんなに話すことがあるなと、思う程ですが幾らでも話せますし聞いています。
しかも、多少は重複する事もありますが、ほぼほぼ新しい話題なのです。
驚愕なのは塾長の知識と知恵と記憶と研究と、もう色々全てを網羅して圧巻です。
<直会>
そんなこんなで、それからホテルまで移動。就寝は夜中の二時でした。
でも楽しいからへっちゃらなんですね!
翌日は四国中央市に場所を移し、合気道を志す人なら誰でも参加OKの白川先生四国講習会!
高知、愛媛の合気道同志も来てくださいました。
師匠が83歳を迎え、現在、出稽古は師匠の処に最重点を置いていまして
仕事の都合もある故、中々他所様にお伺い出来ないので、顔なじみに会える機会でした。
私の高知の兄弟子先生も来てくれました。
私はまだまだ兄弟子に及ばないなぁー、と、悔しくも嬉しく懐かしみながら稽古が出来ました。
午前は講習会、午後からは演武会、後に残り時間で塾長のエクストラ講習会でした。
反省も大いにあります。
まず、全ての段取り全般、事前受付や会場使用、タイムマネジメント、等々。
改善点がさっと見るだけでも何点もありました。ご参加頂いた皆様にはご不便をお掛けした事と思います。
言われもしない失敗もありました。
私は直接運営に関わっているわけではないのですが、
兄弟弟子の一大イベントに、次回からはもう少し首を突っ込もうかな、いや余計な事かな、と葛藤中です。
でも何しろ人手不足。そんな中で髙橋氏はよくやっていたと思います。
それに私の役割は塾長のお付きであり、塾長にご不便がない事が全てに優先されます。
でも来年はもっと、今年の反省を活かして徳志館の皆と頑張りたいと思います!
と、反省もありますが、概ね四国大会も成功裡に終わりました。
把握しきれませんが、参加者のほぼ皆さんが塾長の手も取らせて頂けたのではないかとも思います。
<四国大会>
これにて、今回の四国遠征の全日程を終えました。
塾長は地元(ご出身が徳島)のご友人と、この後懇親会との事で、現地にて最後のご挨拶となりました。
最後に両手で握手をして頂きました。
塾長の手には温かみがあります。大袈裟ではなく、心が安らぎます。
白川先生、髙橋先生、徳志館の皆様、この度も大変お世話になりました!
誠にありがとうございました!
そして、今後とも宜しくお願い致します!
令和7年 11月 29日